カバンの町、豊岡

豊岡は、カバンの町。
国内出荷数、従業員数ともに日本一。日本の7割のカバンを作っていると言われています。

豊岡でのカバンの生産は、ほとんどがオートメーション化されていて、技術がなくても誰でも作れる体制が整っているそう。一見すると良いようにも思えるこのシステムは、誰でも作れることで熟練の技術者が育たず、職人と呼ばれる方はほとんどいなくなってしまっているといいます。

また、カバンを作る企業の多くは有名ブランドの下請けがほとんどです。そのため、市内にはカバンを見られる場所も、買えるお店もありませんでした。

私が子供の頃に、豊岡で作られている有名なカバンを買おうと思うと、神戸や大阪に行かないと買えないということが当たり前でした。

そういった下請けの仕事からの脱却を目指した豊岡市のカバン企業では、OEMだけではなく自社のオリジナル商品を企画・製造を始められているところが増えてきています。

また、実際に見て触って買える場所もでき始めています。この写真の2014年にオープンしたトヨオカカバンアルチザンアベニューもその一つです。1階は豊岡カバンの販売店。2階はカバンのパーツショップ、3階はカバンづくりが学べる専門学校。また、アルチザンがあるカバンストリートと呼ばれる通りには、カバンを扱うお店や修理ができるお店がどんどんできてきています。

産地で作られたものを地元の人が買うことができる。これは当たり前のように思えて実はそうではありませんでした。だから、住んでいた頃もあまりカバンが身近ではなかったし、カバンの町と言われてもあまり実感が湧きづらかったのかもしれません。

東京にいると豊岡がカバンの町ということは、ほとんど知られていないように感じます。別の地域の人にまずは知ってもらうことも大事です。でも、まずはそこで暮らす人たちが自分の町の産業にもっと目を向けられるように、まずは地元の人にとってカバンが身近なものになりますように。

チコニアは、兵庫県北部 但馬地方のふるさとの味を届けるプロジェクトです。