遠くても帰りたくなる場所がある幸せ

東京から但馬までは、新幹線で約5時間。飛行機なら、伊丹空港を乗り継いで最短で2時間。神戸や大阪でも、電車や車でやはり2時間ほどはかかります。

高速ができたり飛行機が飛ぶようになって、少しづつ但馬と都会の距離が近くはなっているものの、それでも決して近い場所ではありません。

私は最近よく耳にするになり始めたパラレルワークと呼ばれるような働き方をしていて、但馬をセカンドプレイスにするべく活動をしています。つまり、東京に住みながら但馬にも拠点をもつ。ここ3年ほどそれを目標に東京で働きながら但馬へ年に数回通っているのですが、どう頑張っても距離は短くならないので、やはり移動が一番大変です。

フリーランスのように好きな時期に休みが取れるわけではなくて、あくまで会社ありき。連休が取れるのはカレンダーの大型連休の時に移動することになるので、新幹線や飛行機がもっとも混む時期。

飛行機の値段はいつもよりずいぶんと高くなり、新幹線は席が取れないほど大混雑でホームは人で溢れかえっています。車も大渋滞にはまってしまうと、予定していたスケジュール通りにいかなくなってしまうことだってあって実家に帰ることが億劫に感じる人もいるかもしれません。離れた地方に実家がありながら、都会で働いている人はみんなこうした苦労を乗り越えて帰省をしています。

3年前までは、GW、お盆、年末の計3回の帰省が通常でしたが、今年は3月、5月、6月、8月、そして10月と12月も既に予定しているため、倍の6回帰省することになりそうです。そうまでして帰るのはもちろん今やっているプロジェクトを進めていくことが目的としてあるのですが、少しづつ自分の中で帰りたくなる場所になり始めているのかもしれません。

ほとんどの同級生とはもう会うこともないし、連絡することもないのですが、この歳になってからも地元に知り合いができるのも楽しいし、家族はもちろんですが、それ以外にも自分の帰りを待っていてくれる人がいるというのはやっぱりうれしいものです。

せっかく帰るならただ帰るだけじゃなくて、帰りたくなる場所にしたいし、ワクワクしながら帰りたい。これがこの活動をやっている理由の一つでもあります。

実際、3年前は帰る度に衰退していく地元を見ることが切なかったのですが、今では新しい動きやおもしろい人にも出会い、以前までのイメージとは明らかに変わり始めています。

チコニアは、兵庫県北部 但馬地方のふるさとの味を届けるプロジェクトです。