商品をつくる、販路をつくる
チコニア商店の販売形態は、大きく分けて2パターンあります。
但馬に既にある商品の中から、実際に食べたり使ってみたりして、本当におすすめしたいと思ったものを、そのまま販売させていただく形。そのままと言っても、商品の写真や商品説明文をつくり手さんから提供してもらったものをコピーして貼り付けるのではなく、全てこちらで制作をしています。
もう一つが、おすすめしたい紹介したいと思った商品の中で、少しだけアレンジを加えることで、チコニア商店のオリジナル商品にして販売させていただく形。具体的にどういったアレンジかと言うと、商品自体はそのままですが、商品名、商品説明文はもちろん、パッケージデザインや素材、内容量についてもつくり手の方と相談させていただきながら、売りやすい手にとってもらいやすい形に作り変えさせていただきます。
つくり手さんの中には、パッケージにお金がかけられない、どんなデザインにしたらいいか分からないといった方も多いです。但馬内だけでの販売を想定されているケースも多く、つくり手さんのことや但馬のことを知らない方には、どういった見せ方をすれば商品の良さが伝わるのかを、一緒に考えてアプローチをさせていただきます。
多くの生産者の方が苦戦されるのが、この販売の部分だと思います。良いものを作ってもそれを買ってもらう、知ってもらうということは、とても難しいことです。
見た目の良い商品やこだわって丁寧に作られている商品は今は全国どこにでもあり、パッケージをおしゃれにしただけだったり、価格を安くすれば売れるという時代ではありません。手にとってもらう、目に留めてもらうことは、どんどん難しくなっています。
「ネットで商品を販売したい」と仰る作り手の方は多いです。ネットで商品を販売することは、とても簡単な時代になりました。パソコンが触れる方なら1時間もあればネットにお店を開店でき、全国の方に向けて販売をスタートできます。しかも、簡単なものなら無料でできてしまいます。
でも、個人的にはおすすめしていません。売れないからです。簡単にお店を開くことはできても、ただそれだけでは売れる可能性はほぼゼロです。今や数え切れないほどのネットショップがあって、その中で商品を売るということは容易なことではありません。
チコニア商店でも、どうしたら他の商品に埋もれず他の商品と差をつけられるのか、つくり手さんが一生懸命作られた商品を対価に合った価格で販売できるのかを日々考えながら、チャレンジを繰り返しています。
ものを作って、そして売る。当たり前のことですが、とても難しいことだとこの活動を始めて改めて感じます。